エリスの夜喫茶

本・コーヒー・カフェ等々、安らぎを得たい人のための情報館。

新聞は無理に読まなくてもいい、って話。

いま私は大学4年ですが,大学生活の間,新聞を読んでいた時期の方が長いです。確か1年生の冬に購読し始め,3年生の2月で解約したと記憶しています。

 

3年の冬といえば就活がもう始まろうかという時期で,むしろ周りの学生が慌てて新聞を読み始めようとする頃だと思います。一方でそんな時に解約してしまった私のことを,変な奴だと感じる方もいるかもしれません。(実際、同級生からそう言われました)

 

私もいくつか「就活本」ってやつを読んだことがあるのですが,そのいずれにも,「新聞を読め」という旨の記述がありました。それだけではなく,日経新聞が特におすすめなのでとにかく日経新聞を読め,とメディアを指定してくる始末です。就活本のうち1冊は,『日本経済新聞社』出版だったのでまぁ当然かもしれませんが…。自分たちの発行している新聞は就活において欠かせない存在である,という自負を持っているんでしょうか。

 

日経批判を展開したいわけではないので,話を戻しましょう。

 

私が就活直前期になって新聞を解約したのは,当然理由があります。

 

それはなにかというと,「コストパフォーマンスが悪い」という点。

 

そもそも,新聞の購読料って異常に高いです。新聞社はいわゆる既得権益層であるから,ここまで高い価格で強気に出られるのでしょうね。

 

そして,その値段に釣り合う価値が有るとはとても思えません。日経新聞だと,電子版だけでも毎月4000円くらいします。書店に並んでるビジネス・教養系単行本が3冊くらい買える計算です。

 

私が当時購読していたのは,産経新聞日経新聞・ウォールストリートジャーナル日本版(WSJ)の3つでした。なんで3つも買ってんのという指摘もあるでしょうが,あの頃は新聞読んでる俺かっこいいだろと勝手に思っていて,自己満足のために頑張って購読を続けていたのです。

 

購読料は,産経が約2000円,日経が約4000円,WSJが約3000円でした。この3つのいずれも,内容と価格が合っていないように感じます。

 

産経は薄すぎるし,タブロイド誌ともいうべき表現が目立つ(他の新聞との違いでもあるので,面白さはあります)。確かにビジネス情報を知りたい人におすすめできる新聞ではないかもしれません。

 

日経は分厚すぎ,自分にとって必要ないページが多すぎるのでセットで4000円払う気になれない。正直なところ,今時株式情報で長々と紙面割くのって必要ないと思うんですよね。社会面や,スポーツ面なんて見向きもしない人だっている。いらないジャンルをどけることができずに,4000円を払うことを強いられているんですよね。

 

この2紙よりは良いんだけどちょっと惜しいのが,WSJ。日本語版記事が少ないかなという印象です。英語版の電子版サイトは使いやすいし,記事も豊富。でも3000円払いたいかっていうと微妙かも。

 

新聞でやって欲しいのは,「ジャンル別のバラ売り」なんですよね。日経新聞の中にある『経済教室』や『私の履歴書』は読みたいけど,株式欄やスポーツ面は別にいらないよ,って人も結構いるはず。産経新聞なら,比較的右寄りの政治記事は興味あるけど経済記事はいらん,って人もいるはず。

 

『政治』ジャンル毎月500円,とかそういう風に売り出せば,新聞はもっと読みやすくなると思うんでうよね。紙で読んでる人には難しいかもしれないけど,若年層などで普及してる電子版であれば,こういう取り組みも簡単だと思うのに…。

 

紙で読んでる人を否定はしないけど,正直あれって楽しいんだろうか…。お年寄りでさえスマートフォン持ってる時代なのに,敢えて紙で購読する必要性ってどこにあるんでしょうか? 新聞社が改革に踏み切れないのは,既存の「紙」購読者がまだまだ多数存在するのも理由の1つかもしれませんね。

 

 

 

で,新聞を解約して困ったのかっていうと,全然困りませんでした。

 

ニュースはネットニュースサイトをいくつか回れば十分に集められますし,掘り下げて勉強したい話題については本を買えばOKです。

 

解約することによって毎月のお金が浮いたのも大きな点ですが,いちばんのメリットは,『義務感から解放された』っていうことです。

 

私たちはなにかと周囲から「新聞を読め」と言われてきています。先ほどの就活本だけでなく,働いている親,大学だと教授陣,就活だと人事担当者,などなど。あらゆる人が「新聞は読んだほうがいい」という思想に染まっており,特に日経信者が多いです。

 

これも考えてみれば当然のことで,「日経新聞必要論」を植えつけられた就活生が実践して就活に励み,その思想が社内に充満し,人事担当者が新たな就活生に「日経新聞必要論」をまた唱えていくというサイクルなのです。

 

私が通っている大学図書館に,国内外問わず各種の新聞が揃っていますが,いちばん人気は間違いなく日経新聞です。朝日や毎日,読売や米国新聞を読んでる人も若干いますが,日経の人気は圧倒的です。

 

1.2年生など就活を控えていない人であっても日経必要論に染まっているのです。凄いですね。

 

日経新聞を読めば必ずためになる,必ず役に立つ,そして日経を読んでおけば間違いない。そういった義務感から仕方なく読んでいるのです。私もその1人でした。

 

しかし,正直日経って重いです。購読をやめた瞬間,すごく楽になりました。

 

で,新聞のない生活を今でも続けていますが,不便もないので,今ではあの時の購読料無駄にしたかなぁと若干の後悔があります。

 

ネットニュースサイト,SNSからの情報,書籍で大抵のニュースは賄えるのです。テレビなんてものは言わずもがなですが,新聞だってもう購読する必要のない時代なんだな,と改めて感じました。

 

 

では,この辺で。